フレーミング・リテラシー

 フレーミング・リテラシーとは、ある出来事に関する命題群のうち、何が選択・省略され、何が強調され、どのような評価や因果的解釈が付加されることによって特定の立場の言説が構成されているかを読み解くこと、および、同一の命題群に対する選択・強調・評価の操作によって、異なる立場の言説を構成できることである。


その操作対象化

まず、出来事について確認可能な事実命題とその関係を、参照命題ネットワークとして外在化します。そのうえで、個々の言説を次の操作として表現します。

参照命題ネットワーク部分ネットワークの選択・省略命題の強調・重みづけ評価・因果命題の付加特定のフレームをもつ言説\text{参照命題ネットワーク} \rightarrow \text{部分ネットワークの選択・省略} \rightarrow \text{命題の強調・重みづけ} \rightarrow \text{評価・因果命題の付加} \rightarrow \text{特定のフレームをもつ言説}

学習者は、言説に対して、

  • どの命題が選択・省略されたか
  • どの命題が強調されたか
  • どの評価・因果解釈が追加されたか

を特定します。さらに、同じ参照命題ネットワークから中立的・肯定的・否定的な言説を再構成し、その変換操作を説明します。

したがって、この方法の特徴は、抽象的な「偏り」や「印象」を、命題の選択、重みづけ、評価的拡張という操作可能な対象として可視化することにあります。なお、参照命題ネットワーク自体も絶対的に中立なものではなく、複数の情報源に基づいて暫定的に構成される基準と位置づける必要があります。

構成的操作

参照命題ネットワークに基づき、特定の立場をもつ言説を構成する操作である。

  1. 参照命題ネットワークを精査する
    言及可能な事実命題と、その関係を把握する。
  2. 取り扱う部分命題ネットワークを選択する
    言説に含める命題を選択し、含めない命題を決定する。
  3. フレーミングを付与する
    選択した命題のうち、強調する部分を決定するとともに、必要に応じて評価命題や因果的・解釈的命題を付加する。
  4. 言語化する
    命題の順序、表現、詳しさ、見出しなどを決定し、特定の立場をもつ言説として表現する。


解釈的操作

提示された言説を分析し、その言説がどのような命題の選択、強調および評価によって構成されているかを読み解く操作である。

  1. 言説を命題ネットワーク化する
    言説に含まれる命題と、その関係を外在化する。
  2. 命題の性質を識別する
    事実命題、評価命題、因果的・解釈的命題を区別する。
  3. 強調を識別する
    見出し、記述順序、記述量、反復、語句の選択などから、強調されている命題を特定する。
  4. 基礎的な部分命題ネットワークを復元する
    評価や強調をいったん取り除き、その言説が依拠している事実的な部分ネットワークを取り出す。
  5. 参照命題ネットワークと比較する
    選択された命題と欠落している命題を確認する。
  6. フレーミング操作を解釈する
    命題の選択・欠落、強調、評価や因果的解釈の付加が、どのような立場の形成に寄与しているかを説明する。欠落理由については、断定するのではなく、可能な理由を仮説として検討する。


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