外的表象を媒介とした再構成的意味構成理論
命題1
学習者の理解は内的表象として存在するが,それは他者と完全には共有されない。
命題2
外的表象は,内的表象を完全に写し取るものではないが,比較可能・操作可能な公共的対象を与える。
命題3
学習者間,または学習者と基準表象との間のずれは,外的表象を介することで可視化される。
命題4
外的表象の操作と再構成は,ずれの調整を可能にするだけでなく,対象構造そのものの再理解を促す。
命題5
したがって学習は,外的表象を媒介とした可視化・操作・調整・再構成の循環として成立する。
1. 学習成果の定義
何をもって理解が進んだとみなすか。
- 構造の明確化
- 関係の説明可能性
- ずれの減少
- 再構成の質
- 転移可能性
2. 条件
どのようなときにうまく働くか。
- 学習対象が構造的である
- 外的表象が操作可能である
- 比較対象がある
- ずれが可視化される
- 再構成の余地がある
3. プロセス段階
たとえば,
- 初期理解の外化
- 比較
- 差分の検出
- 操作
- 再構成
- 再説明
の段階モデルにする。
4. 教授設計原理
教師やシステムは何をすべきか。
- ずれが見える表象を与える
- 操作可能な部品化を行う
- 比較の基準を与える
- 再構成を促す
一文で理論化すると
次のように書けます。
学習とは,完全には共有しえない内的表象を,外的表象を媒介として公共的に可視化し,それを操作・比較・調整・再構成することを通して,対象構造の理解を発展させる過程である。
もう少し論文調にすると
本理論は,学習を,内的表象の単純な伝達や受容としてではなく,外的表象を媒介とした再構成過程として捉える。学習者間で内的表象の完全共有は不可能であるが,外的表象は比較可能かつ操作可能な公共的対象を与える。学習者は,その表象を通して理解のずれを可視化し,調整し,さらに表象の操作と再構成を通して対象構造を再検討する。この意味で,学習の進展は,外的表象を媒介とする差分の可視化と再構成の循環によって説明される。
後期ヴィトゲンシュタイン
1. 意味は使用にある
記号の意味は、頭の中の私的な像ではなく、どう使われるかで決まる。
2. 規則に従うこと
何が正しい使い方かは、完全に私的には決められず、共同的な実践の中で成立する。
3. 私的言語批判
「自分にしか分からない意味」だけでは、意味の基準は立たない。
だから、理解は何らかのかたちで外に開かれた基準に接続される必要がある。
コメント
コメントを投稿